
シンドローム2は、オッズ競馬を知らない人でも出来るだけ簡単に儲けられるように作られています。それでも元になる考え方が理解できているかいないかで、だいぶ違います。ここでは、オッズ競馬の基本と、シンドロームの予想理論について簡単に説明したいと思います。
オッズ競馬の基礎の基礎
まずは、オッズ競馬の基礎のそのまた基礎について説明します。オッズ競馬とは、馬の能力や戦歴と言ったオーソドックスな予想法とは大局的な予想法です。どちらかと言えばマニアックな予想法ですが、JRA-VANのようなデータサービスがはじまり、パソコンで簡単にオッズが取れるようになると、一部の競馬ファンを中心に瞬く間に広まっていきました。
オッズ競馬とは文字通り、オッズを元に予想を組み立てる馬券理論です。そこには馬の能力も、戦績も、ローテーションさえも関係ありません。とにかくオッズが予想を支配します。オッズ競馬にもさまざまな流派がありますが、どの流派にも共通して言えることは、オッズがないとまったく予想ができないことです。
主流派のスピード指数や、実績や格を使った伝統的な予想法は、馬券が発売される前=前日に予想が可能です。しかし、オッズ競馬は馬券が発売された後でないと、予想ができないのです。つまり
「受け身の予想理論」
と言えます。それ故、さまざまな制約が発生します。
オッズの何に着目しているのか?
よく、オッズはすべての予想理論の集大成と表現されます。つまり、どれだけ優れた予想理論でも、最終的には馬券を購入することになります。馬券を購入すれば当然オッズにも反映されます。オッズはさまざまな予想理論の最終的な到着地点なので、これだけを見ていれば勝てるという思想です。
浅はかです…。
競馬はそんな甘いものではありません。多くの人が最も支持した馬といえば、単勝1番人気の馬です。あなたの競馬キャリアがそれなりの長さであれば、単勝1倍台の圧倒的な支持を集めた馬が馬群に沈んでいく光景を何度か目の当たりにしたことがあると思います。しかし、本来の理屈で言えば、最も支持された馬=あらゆる競馬理論が認めた馬と見ることも出来ます。しかし、単勝1番人気の複勝率は65%前後です。単純計算で3回に1回は飛ぶのです。もちろん、1倍台の馬の複勝率はもっと高いですが。
では、シンドロームでは、オッズのどこに着目しているか、理論に照らして答えを述べます。それは……
「売れている馬が走る」
と言うことです。平たく言えば「単勝1番人気万歳!」と言うことです。え? さっきと言っていることが違う? そうですね。もう一言加えるなら、「いつ」、「誰が」、「どのようにして」馬券を買っているかに着目します。シンドローム2の画面を見て言えば、最も数値の高い馬=売れている馬が走ると言うことです。
なぜ「いつ」、「誰が」、「どのようにして」売れているかを気にするのか?
これにはからくりがあります。シンドロームでは、一般競馬ファンが馬券を購入した兆候を「モブサイン」と呼びます。シンドロームの理論において一般票は、ただのノイズで除外して考えなければなりません。ここでも、「いつ」、「どのようにして」、「どの位」が絡んできます。検証の結果モブサインはパドック終了後数分間続くことが分かっています。これは競馬場で人の動きを観察していても分かることですね(「いつ」が働いている)。
シンドロームでは、「いつ」を次の3パターンに分類しています。

(1):モーニングフライング……朝の集中投票 (複回収率:83%)
(2):パドックフライング………パドック前までの集中投票 (複回収率:83%)
(3):直前異常…………………締め切り直前の集中投票 (複回収率:93%)
「いつ」に着目するのはシンドロームの専売特許ではありません。オッズ競馬の世界では昔から「朝一の異常オッズ」が走るとされてきました。なぜ朝一なのか? それは我々がねらい打ちしている競馬関係者によるインサイダー投票が朝一に発生していたからです。過去形で語っているのは、朝一のインサイダーは以前に比べると少なくなり、今は締め切り直前にシフトしているからです。朝一の複回収率が83%なのに対して、直前異常の複回収率が93%と10%高いことでも分かると思います。
この段階で2つのピースがはまりました。
- 「いつ?」………「締め切り直前」
- 「誰が?」………「競馬関係者=インサイダー」
と言うことです。そうです。シンドロームの予想理論は、競馬関係者によるインサイダー投票をねらい打つ馬券術なのです。
インサイダー投票とはなにか?
ここで根源的な質問をします。では、「インサイダー投票」とは何でしょうか? インサイダーという単語で最も有名なのは「インサイダー取引」でしょう。これは株や証券の世界で、内部情報を知り得る立場の人間が内部情報を元に株式を購入し、不当に利益を得ることを指します。当然これは法律で禁止されている行為で、村上ファンドの村上代表がインサイダー取引の容疑で逮捕起訴されたのは記憶に新しいところです。
競馬におけるインサイダー投票とは、調教師など競走馬に近い立場にいる人間が、その立場を利用して馬券で儲ける行為のことを指します。この場合、実際に馬券を購入しているのは下記の立場の人間が考えられます。
- 調教師や厩務員など厩舎関係者(完全なインサイダー)
- 内部情報を知り得たJRA職員(完全なインサイダー)
- 厩舎から内部情報を得た騎手(完全なインサイダー)
- 厩舎から内部情報を得た馬主(インサイダーかもしれないし、ただの道楽かも)
- 厩舎から内部情報を得た競馬記者(インサイダーかもしれないし、ただの道楽かも)
皆さんもご承知の通り、競馬法で競馬関係者による馬券の購入は禁止されています。関係者本人だけではなく、その家族も禁止です。赤字で書かれている部分の人間は、馬券を買えばアウトです。

しかし、インサイダー投票で実際に逮捕された関係者をご存じですか? せいぜい麻薬所持や銃刀法違反ではないですか? 1999年に後藤騎手が吉田豊騎手に木刀でヤキを入れるという事件が起きましたが、この時後藤騎手は傷害罪で起訴されたのでしょうか? 彼に下された裁定は騎乗停止4ヶ月です。我々が町中で人を木刀で殴れば、ブタ箱行きは確実です。競馬界では、よほどの不祥事でない限り、競馬社会の中で解決してしまいます。これは農林水産省を頂点とした巨大な組織だからでしょうね。
インサイダー投票も、派手なことをしてマスコミにすっぱ抜かれない限りは、事実上黙認されています。騎手や調教師の中には、明らかに馬券を購入している人もいます。
電話投票が全盛になる前は、ウィンズや競馬場で馬券を購入する必要がありました。その場合、目立たないようにまだ人もまばらな朝一(9時半頃)を狙ってインサイダー投票が行われていました。しかし、電話投票が当たり前のような存在になり、特にIPATが登場してから、携帯電話で以前より簡単に馬券が買えるようになりました。競馬関係者はいつでも空いた時間に、気づかれずに馬券を買えるようになったのです。
ここでもう一つ変化があります。オッズ派にとって劇的な変化は、インターネットの存在です。ブロードバンド、常時接続がオッズ派にもたらした影響は計り知れず、以前とは比べものにならないほど低コストで、容易にオッズが取得できるようになりました。当然、朝一のインサイダー投票は完全にオッズ派に読まれてしまいます。競馬というゲームはゼロサムゲームなので
「誰かが馬券を買えばオッズが下がります」
誰かが買うと価格が上がる株式とは真逆の世界です(ゼロサムであることは変わりませんが)。インサイダーを起こす側にしてみれば、自分たちの利益(高配当オッズ)を第3者にピンハネされてるような状態です。
こうなるとインサイダーサイドも黙っていません。オッズ派がより検知しづらく、投票しづらい時間帯=締め切り直前にシフトしていきました。オッズは約1分前のものが最新オッズとしてダウンロードされるので、締め切り1分前とかに投票されると手も足も出ません。
シンドロームの戦略
シンドロームの戦略は、「締め切り直前に投票される内部関係者による異常投票に狙いを定める」ことです。ですが、冒頭で触れたとおり、馬券を購入すればそれはオッズとして反映されます。ここには一般競馬ファンによる投票も紛れています。モブサインで一般投票のはじまる時間や兆候を捕らえても、実際にダウンロードされるオッズに色が付いているわけではなく、インサイダーによる確信的な投票なのか、一般ファンによる思いこみ投票なのかが区別できません。
そこで最後の「どのように」が生きてきます。
シンドロームに限らず、インサイダー投票を相手にしているオッズ競馬では、本物の異常オッズ(馬券になるインサイダー投票)と、偽物の異常投票の識別に苦戦しています。オッズには間違いなくノイズも紛れているからです。外から眺めただけでは、その区別はつきません。
また、インサイダーもさまざまな作戦を練ってきます。券種を買えるのもひとつの戦略です。例えば、ある時期はワイド馬券に明確に現れたり、それが馬単や三連単に移って単勝に戻ったり……。かなり気まぐれです。しかし、これもオッズ競馬です。オッズ競馬基礎の基礎で述べたように、オッズ競馬は基本的に受け身です。インサイダーが買い方を変えれば、それにあわせる必要があります。
シンドロームは、対インサイダー攻略に対して、3つの戦略を練っています。
- インサイダーに対してセンサーを張り巡らせること
- 統計による裏付けを取り、有効性を確認すること
- 偽異常を見分けるための対策を練ること
1番目のセンサーとは、「どのように」をあらゆる角度から観察するために用意された各種指数です。これを2番目の原則に照らし合わせ、統計的に処理して有効性を確認します。対インサイダーの最大の武器は時系列オッズをくまなくチェックできるCTです。CTに表示できる指数は統計的に有効性が確認されています。これまでシンドロームでは80を超える指数を作ってきましたが、有効性が確認できたものだけをシンドローム2に残しました。

3番目は一筋縄ではいかないテーマです。シンドローム創設時から偽異常として考えられているものに、グリーンチャンネルパドック推奨馬があります。ただし、推奨馬すべてを除外するわけにもいきません(人気サイドが多く含まれています)。まだまだ研究の余地がある分野です。
長くなりました。今回はここまで。
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