ヴィクトリアマイル<G1レースの裏表>

TAGS:

従来、優秀な牝馬は早期に引退させて生産界へ戻すべきと考えられていましたが、1996年にエリザベス女王杯が3歳以上の牝馬に解放。それ以降、牝馬重賞競走の増設およびローテーションの整備によって、牝馬の競走馬としての価値を高めるとともに、競馬番組の充実が図られてきました。

そして、2006年の番組改定で、春季に4歳以上の牝馬の目標となるGⅠ競走として「ヴィクトリアマイル」が新設されました。
東京競馬場・芝1600メートルを舞台に、4歳以上の牝馬限定・定量の条件で行われており、「春の女王決定戦」に位置付けられています。

本競走により付与される優先出走権は以下になります。

  • ジャック・ル・マロワ賞(G1):本競走および安田記念の1-3着馬
  • ムーラン・ド・ロンシャン賞(G1):本競走および安田記念の1-3着馬
  • ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ:本競走の1着馬

一般競馬情報

春の女王決定戦」と位置づけられているヴィクトリアマイルは5月18日(日)に開催予定です。

一般競馬情報を見ると、今年の注目馬は以下の4頭が挙げられます。

注目馬性齢特徴
アスコリピチェーノ牝4戦績:5-2-0 / 8
連対率87.5%(芝1,400~1,600)
主な勝ち鞍
・2023年 阪神ジュベナイルF(G1)
ステレンボッシュ牝4戦績:3-3-2 / 9
複勝率88.9%(芝1,600~2,400)
主な勝ち鞍
・2024年 桜花賞(G1)
ボンドガール牝4戦績:1-5-1 / 9
複勝率77.8%(芝1,600~2,000)
クイーンズウォーク牝4戦績:4-1-0 / 9
連帯率55.5%(芝1,600~2,400)
主な勝ち鞍
・2024年 デイリー杯クイーンC(G3)

直近でサウジアラビアのG2で勝利を納め、一昨年の阪神ジュベナイルフィリーズ以来のG1タイトルを狙う「アスコリピチェーノ」が一番人気となりそうです。

その他の注目馬としては、今年の大阪杯の雪辱を狙う2024年桜花賞の覇者「ステレンボッシュ」、重賞初制覇を虎視眈々と狙い、堅実に好走を続けている「ボンドガール」、2024年クイーンカップ覇者である「クイーンズウォーク」を挙げることができます。



2025年05月18日 東京11R ヴィクトリアマイル

発走:15時40分 芝1600m <超波乱>
更新日時:2025年05月18日 15:37

馬名単勝Zone得票率勝率複勝率性齢騎手
17アスコリピチェーノ2.5A23.5%25.8%59.9%牝4ルメール(56.0)
10ボンドガール6.0B13.7%13.5%40.4%牝4武豊(56.0)
2ステレンボッシュ7.8B11.0%10.0%33.5%牝4戸崎圭太(56.0)
3アルジーヌ9.0B10.7%9.6%32.7%牝5レーン(56.0)
16クイーンズウォーク8.4C8.4%7.4%27.1%牝4川田将雅(56.0)
9アドマイヤマツリ18.7D5.0%6.4%23.2%牝4田辺裕信(56.0)
12シランケド17.1E4.8%4.0%16.1%牝5M.デム(56.0)
1クリスマスパレード19.9E4.7%3.9%15.6%牝4石川裕紀(56.0)
4サフィラ23.7E4.5%3.7%15.0%牝4松山弘平(56.0)
5ラヴェル26.1E3.1%2.4%10.8%牝5津村明秀(56.0)
13ビヨンドザヴァレー39.0F2.5%1.8%9.1%牝5菱田裕二(56.0)
15ソーダズリング42.7F2.2%1.6%8.2%牝5坂井瑠星(56.0)
6ミアネーロ33.0F2.2%1.5%8.1%牝4ディー(56.0)
7ワイドラトゥール60.1F1.1%0.5%4.7%牝4北村友一(56.0)
18アリスヴェリテ98.8G0.8%0.2%3.8%牝5池添謙一(56.0)
8シンリョクカ84.7G0.8%0.2%3.8%牝5木幡初也(56.0)
11シングザットソング113.1G0.7%0.1%3.5%牝5斎藤新(56.0)
14マサノカナリア168.7G0.3%0.0%2.6%牝4横山典弘(56.0)

直前3分前異常馬

09番 アドマイヤマツリ (7人)

ヴィクトリアマイルのオッズ分析表は、配信スケジュールを調整中です

開催日当日の注目馬の更新タイミング
  • 開催日当日の朝(9時)
  • 開催日当日のお昼(12時)
  • 投票締切60分前
  • 投票締切30分前
  • 投票締切10分前

ウマいかも!?気になる動向

寸評
  • 中穴クラスの馬で「クイーンズウォーク」にやや大口の投票を確認
  • 大穴クラスの馬の中で「クリスマスパレード」「ラヴェル」「ソーダズリング」「シングザットソング」にやや大口の投票を確認

穴をあけるリーディングジョッキーランキング 2025」のトップ10以内に入っている騎手は青色で網掛けしています

着順単勝人気馬番馬名
1117アスコリピチェーノ
2416クイーンズウォーク
3612シランケド
券種配当
単勝17250円
複勝17130円
16260円
12390円
枠連8 – 81,220円
馬連16 – 171,280円
ワイド16 – 17550円
12 – 171,050円
12 – 162,710円
馬単17 – 161,980円
三連複12 – 16 – 178,120円
三連単17 – 16 – 1226,000円

用語解説(異常オッズ注目馬)

用語  説明
得票率買い目フォーカスごとのオッズを、全体の売り上げに対する割合に置き換えた数字(「得票率」についての詳細は「得票率の求め方」の記事をご覧ください)
ゾーン特定範囲の馬連得票率ごとにブロックにして、人気をグループ化したもの(「ゾーン」についての詳細は「シンドロームの異常オッズ理論」の記事をご覧ください」)
勝率1着に入った割合
複勝率3着以内に入った割合

本競走は、春の牝馬女王決定戦というより、まさに「穴党の祭典」です。
というのも、1~3番人気の複勝率が、すべてG1レースの平均を大きく下回り、一言で言えば全く信用がありません。数字そのものは、ページ最後のレースの総括情報を見てください。過去10年の傾向データをまとめてあります。

まず、注目すべき数値として、配当指数の高さがあげられます。配当指数は平均配当をもとに、レースの配当金が低配当なのか、高配当なのかを判断する指標です。数字が高いほど、高配当であることを意味しています。

その配当指数ですが、本競走は649.7と、G1レース平均の109.6の4.9倍あります。万馬券の発生率で見ると、馬連が27.3%、三連複は45.5%、三連単10万馬券は45.5%とすべてで平均よりも発生率が高くなっています。

特に馬連の発生率の高さから、人気馬+穴馬という組み合わせより、中穴や大穴が平気で絡んでいることを示唆します。ただ、三連単の平均配当には要注意です。2015年に2000万を超える特大馬券が出ているため、そこに引きずられている部分もあります。

2020年から2023年の直近4年間は、堅めの配当で決まっているので、人気馬を必ずしも軽視してよいわけではありませんが、昨年やそれまでの傾向を見ると、人気より穴馬なので、GWで散在してしまったお金を取り戻すチャンスと考えたほうがいいでしょう。

詳細な情報は当日のオッズ分析表をご覧ください。

こちらに書かれている内容で被ったいかなる損害につきましては、株式会社ナクティブは保証いたしません。馬券は自己責任でお願いします

レース分析

用語解説(レース分析)

用語説明
ゾーン着順    1~3着までの着順をゾーン別に表示(「ゾーン」についての詳細は「シンドロームの異常オッズ理論」の記事参照)
配当指数レースの配当金傾向を指数化。数字が高いほど高配当
異常馬動向値3着圏内に入った異常馬を評価する指標。人気薄の異常馬が馬券に絡むほど、数値が高くなる
波乱指数超堅いから、超波乱の6段階で、事前にレース配当が本命サイドなのか、波乱サイドなのかを判断する指標

レース傾向

年度 優勝馬名ゾーン着順配当指数異常馬動向値波乱指数1着馬得票率2着馬得票率3着馬得票率1番人気得票率三連単配当決着馬人気
2014ヴィルシーナE-B-D2340超波乱3.412.05.719.840.8万11人-3人-6人
2015ストレイトガールD-F-G487645.69超波乱5.81.90.228.32070.6万7人-12人-18人
2016ストレイトガールE-A-B720超波乱4.921.713.821.74.8万7人-1人-2人
2017アドマイヤリードC-F-C445131.27大波乱8.51.47.030.691.9万6人-12人-7人
2018ジュールポレールD-B-C760超波乱5.317.78.217.76.4万8人-1人-5人
2019ノームコアD-B-E9624.92超波乱6.913.93.215.617.5万7人-2人-11人
2020アーモンドアイA-C-C00超波乱31.78.77.031.70.7万1人-4人-5人
2021グランアレグリアA-F-B093.76大波乱37.22.010.037.22.9万1人-10人-3人
2022ソダシB-B-D014.92超波乱11.415.16.419.14.4万4人-3人-6人
2023ソングラインB-B-A320波乱12.314.724.824.81.3万4人-3人-1人
2024テンハッピーローズG-C-A13160波乱0.58.127.927.991.7万14人-4人-1人
平均649.728.211.610.710.424.9212.1万

配当分析

年度波乱指数配当指数単勝馬連馬単三連複三連単
2014超波乱2342,830円8,450円28,050円50,720円407,940円
2015超波乱48761,410円36,880円73,990円2,860,480円20,705,810円
2016超波乱721,770円3,510円9,790円6,090円48,310円
2017超波乱4451,350円42,710円73,750円123,870円918,700円
2018超波乱761,340円4,090円11,730円8,850円63,640円
2019超波乱96940円3,700円7,670円35,490円175,040円
2020大波乱0140円750円950円2,960円7,340円
2021超波乱0130円3,620円4,630円8,460円28,750円
2022超波乱0570円2,010円4,010円8,270円43,780円
2023波乱32760円1,960円4,170円1,720円12,830円
2024波乱131620,860円93,690円303,260円43,750円916,640円
平均649.72,973円18,306円47,455円286,424円2,120,798円

レースの総括情報(約10年の傾向)

項目G1レース平均ヴィクトリアマイル変動率
1番人気複勝率62.9%36.4%-42.2%
2番人気複勝率47.7%27.3%-42.8%
3番人気複勝率42.4%27.3%-35.7%
配当指数平均109.6649.7492.8%
1着馬得票率平均17.1%11.6%-32.2%
2着馬得票率平均12.7%10.7%-16.1%
3着馬得票率平均10.2%10.4%1.8%
1番人気平均得票率25.2%24.9-1.0%
馬連万馬券率14.8%27.3%84.3%
三連複万馬券率41.0%45.5%10.9%
三連単10万馬券率29.0%45.5%56.7%
約10年のデータからわかること
  • 上位人気3頭の複勝率が他のG1と比べて、非常に低い
  • 大穴が馬券に絡みやすく、他のG1レースに比べて万馬券率が高い
  • 特に馬連の万馬券発生率が高い

「オッズでわかるG1レース裏表」の記事に戻る