異常オッズを見つけるための3つの方法

あなたの買った馬券がオッズに反映されるまで

異常オッズについて触れる前に、皆さんは「オッズ」の仕組みをどこまで理解していますか? オッズは一言で言うなら、「すべての予想が反映された結果」です。勝ち組も負け組も、プロの予想屋も素人も、馬券を買ったらそれがオッズに反映されます。

投票された馬券は、ネット投票はもちろん、全国の場外馬券売り場や競馬場をつないだ光回線を経由して、JRAの中央システムに集められます。そして、一定以上の変化があった場合に、ひとつ前の時間のオッズとして発表されます。つまり、最新のオッズとして発表されたものは、1分前のオッズが提示されます。

あなたの馬券がオッズに変わるまで

大きなレースの締切直前には、1分間に何度もオッズが更新されることはありますが、通常は1分間に1回だけです。

さて、すべての購入馬券は、オッズとして反映されるわけですが、ひとつだけ例外が存在します。それは「ノミ屋」を経由して購入された馬券です。

競馬歴の長い方のなかには、ノミ屋を利用したこともいるかもしれませんが、ノミ屋はJRAが用意している「競馬」という興行にただ乗りしている連中であり、基本的にノミ行為は違法です。

彼らは、JRAの発表しているオッズに基づき、自分たちを利用するお客に「彼らが販売する馬券」を売っています。つまり、本当の胴元はJRAですが、彼らを介した場合には、彼らが胴元になります。

当然、ノミ行為で投票された馬券は、JRAの管理外ですので、オッズには反映されません。このような一部の例外を除き、あなたが購入した馬券は、オッズに反映されます。

そして、購入した人が多いほど、オッズが下がります。

知りたいのはインサイダーによる異常オッズ

さまざまな人が購入した馬券がオッズに反映されるわけですが、基本的に多くの人が考えている、順当な「人気」におさまります。人気薄の馬が人気になるには、それだけ大量に馬券を購入しなければなりません。馬を応援するために馬券を購入するならともかく、何百万、数千万円というお金をどぶに捨てるようなことはしません。

しかし、通常とは明らかに異なる大量投票があり、オッズが変わることがあります。このオッズ変動を「異常オッズ」とよびます。異常オッズを引き起こす要因は、いくつかありますが、この中で「インサイダー票」と呼ばれる関係者情報に基づいた投票があります。

インサイダーによる「異常オッズ」をひとことで説明すると、「儲かる馬券」です。インサイダーの「異常オッズ」を分析して、それに乗っかることで儲かります。

しかし、オッズはあなたを含む多くの人が馬券を投票した結果、オッズに反映されます。いわば、大河のように清濁まざった水の流れのようです。その中から、特定の川から流れ込んできた「水」を見分けることができるのでしょうか?

その見分ける方法がこの記事のテーマです。

異常オッズを引き起こす5つの原因

どうやって異常オッズを見分けるか?

異常オッズをどうやってみつけるか。実はオッズを競馬予想に使おうという流れは意外に古く、一番最初にオッズ分析をはじめたのは「トータライザー社」と言われています。トータライザー社の考え方は、その後何人かの手を経て、「分布論」というひとつの流派を形成します。

分布論を簡単に説明すると、オッズマトリクスなどを使い、オッズの分布を調べ、オッズをグループ分けしてより確率の高い馬を絞り込んでいく方法です。単勝オッズを人気順にならべ、オッズ同士の開きをみる「断層」も分布論の一種です。

オッズマトリクスを使った異常馬の見つけ方の例
オッズマトリクスを使った異常馬の見つけ方の例(TARGET-JV人気マトリクス)

もうひとつが、「インサイダー理論」で、我々も利用している手法です。ここでは特に「インサイダー理論」を使った異常オッズの見分け方について説明していきたいと思います。

オッズ分析の前の下準備

オッズはJRAが投票結果に基づいて計算し、的中時の配当として公表しています。レース確定後のオッズを「確定オッズ」といい、払戻金として利用されます。販売中のレースのオッズは「中間オッズ」と呼び、未確定なので誰かが馬券を買うと変動します。

単勝を例にとると、通常は12.5倍というように発表され、これは馬券を100円買った場合、12.5倍の1,250円の払い戻しを受けられるという意味になります。

オッズの分布を調べる「分布論」は別として、「インサイダー理論」では、このような「生のオッズ」は利用されません。それぞれの馬の支持率を割合で表す「得票率」を使います。

得票率は、簡単に言えばその馬の馬券が買われている割合のことで、すごく単純に表現するなら、単勝 2.0倍の馬は、50%の人が購入している馬券ということになります。もちろん、オッズにはJRAの取り分であるテラ銭がありますので、その分を計算するともう少し割合は減ります。テラ銭とよばれる控除率はだいたい25%なので、単勝 2.0倍の馬の得票率は、40%ぐらいになるはずです。

単勝オッズと馬連得票率
単勝オッズと得票率

単勝は馬ごとにオッズが出ているので、得票率に直すのはそれほど難しくありません。面倒なのは、馬連、馬単、三連複といった相手馬がふくまれた馬券です。

それぞれの馬券のオッズは、1番と2番の馬の組み合わせの場合、1-2 7.5倍のように買い目ごとに設定されています。

これを1番と2番の馬にどの程度投票されているかを知るために、複数の馬にまたがった買い目を分解して、馬ごとに集計する必要があります。得票率の具体的な計算方法、やり方については以下の記事を参考にしてみてください。

ここでは、馬連や三連複といった馬券で、どの馬に支持が集まっているかを割合として求める作業のことだと思ってください。

得票率の求め方

インサイダー投票を見分けよう

馬ごとの得票率を求めることで、それぞれの馬の馬券がどの程度売れているかを数値化できます。ある馬の馬券がどの程度売れているかを知る事は、「人気」を知る事と同じです。

馬の人気は、ほとんどの人は「単勝馬券」の売れ行きを利用して、単勝人気で判断します。しかし、馬券は単勝だけでなく、馬連やワイド、馬単、三連複、三連単など合計で8種類売られています。

単勝で1番売れている1番人気馬が、馬連の売上で見ると3番人気だったということも、得票率でほかの馬券の売れ行き=人気を見ることで知る事ができます。

知りたいのはそれぞれの馬の人気ですが、馬連や三連複の売れ行きを知るなら「得票率」を計算しないと、それぞれの馬券での人気を知る事ができません。

そして、馬券ごとの人気を知る事ができると、その中の「異常オッズ」を見つけるヒントを手に入れられます。

馬券の順位差による比較

最も単純な異常馬の見つけ方が、順位差を見ることです。単勝で5番人気の馬が、馬連で3番人気になっていれば、その順位の差は2つ。順位差分の異常オッズが入り、馬連の人気を押し上げた人がいるはずです。通常は、単勝人気を基準とし、その他の馬券で単勝人気よりも売れている馬を探します。

馬券の順位差による異常馬の見つけ方
馬券の順位差による異常馬の見つけ方

上の図は、単勝オッズ人気順にならべ、その横にある数字は馬連、ワイドなどそれぞれの券種の得票率順位(人気)です。単勝と同じ売れ方をしているのであれば、順位は一致しているはずですが、青枠部分はワイドに発生した異常オッズです。単勝3番人気の馬が、ワイドでは1番人気になっています。

単勝人気と比較する理由は、たいていの人が馬の人気を判断するのに単勝オッズが利用されているからです。なお、最初に順位差を利用し始めたのは、「アキヤマ式」と呼ばれる手法です。

この手法のメリットは、単純な順位差の確認だけなので、理解しやすく扱いやすいことです。その反面、そこまで高い精度は出ません。

異なる時間帯のオッズの比較(時系列差)

馬券の順位差が、同じ時間帯の異なる馬券での人気差を見ているなら、「同じ馬券のオッズを異なる時間で比較する」のが、「時系列差」です。たとえば、朝 10:30のオッズと12:30のオッズを比較し、それぞれの順位がどのように変化しているかを確認します。

朝の時点で7番人気だった馬が、5番人気まで上がっていたら、異常オッズによりその馬の人気が上がったと判断します。

なお、この方法論を突き詰めた手法を「オッズオン」と呼びます。

しかし、このやり方はこのあと説明する「時系列オッズ分析」よりも手軽に扱えますが、時間変動による異常オッズを観測するやり方は、時系列オッズ分析の方が精度が高いため、あまり使われていません。

時系列オッズ分析

現在の異常オッズの検知方法の主流のやり方が、時系列オッズ分析です。「時系列オッズ分析」とは、発売から締め切りまで変化するオッズをすべて分析し、オッズの急激な変動がないかを細かく分析する手法です。

時系列オッズ分析による異常馬
時系列オッズ分析による異常馬

上の図は実際に直前異常馬が1着に入ったケースですが、14:21くらいから異常票がみられ、最後に428という大きな異常オッズを記録しています。順位差だと異常の強弱はわかりずらいですが、時系列分析の場合、オッズの変動幅を数値化していることも多いので、異常度合いも確認できます。

異常の度合いはアプリによって計算式が異なりますが、そのまま数値の単位を「万円」に置き換えることも可能です。つまり、上の例だと1着の馬は最後に428万円の投票があったことになります。

「時系列オッズ分析」は、精度が高く、一般票と異常オッズの違いも見分けやすいですが、時系列オッズの収集と分析のため、手動で分析することはまずできません。

異なる時間帯のオッズを比較する方法と似ていますが、連続したオッズを扱うため、専用のアプリが必要になります。

異常オッズ分析をはじめるには?

異常オッズを使った予想をはじめるには、パソコンやネット回線、オッズの情報源が必要です。パソコンはここ2・3年に発売されたものであれば、ノートパソコンで十分です。ネット回線は出来れば光回線が欲しいところですが、それほど頻繁にオッズを取得しないのであれば、それ以外でも問題ありません。

最近はスマートフォンでも利用できる競馬アプリや予想サービスもありますが、異常オッズを利用したいのであれば、パソコンを用意すべきです。

理由は、異常オッズを引き起こすインサイダーは、締切直前に投票していることが多く、スマートフォンでは対応が難しいためです。小さな画面では、締め切りギリギリに異常オッズを確認し、投票までを完了させるのは困難です。

オッズの情報源は2つあります。ひとつは、インターネット投票サービスIPATから定期的にオッズを取得する方法。もうひとつが、JRA-VANという競馬データサービスを利用することです。

IPATを使えば無料でオッズが取得できますが、IPATは投票用のサービスであり、頻繁にデータを取るのには向いていません。あまり、オッズ取得の頻度が高いと、アカウントをロックされるリスクもあります。

JRA-VANのホームページ
JRA-VANのホームページ

お勧めは、有料のJRAVANと契約してデータ配信を受けることです。

JRA-VANはパソコン専用のサービスですが、不完全ながら時系列オッズも提供されています。JRA-VANが提供しているのは、単勝、複勝、枠連、馬連のみですが、時系列オッズ分析を手軽に始められるところが利点です。

異常オッズを使った競馬予想を始めるには、最初に設備投資が必要ですが、ほかの予想法に比べて、高回収率が期待できるため、やってみる価値はあると思います。