異常オッズを引き起こす5つの原因

異常オッズとは?

異常オッズとは、特定の馬の馬券に、通常では考えられない金額の過剰投票によって発生するオッズ異常のことです。異常オッズの原因は複数ありますが、まずはオッズの仕組みを理解する必要があります。

オッズの仕組み

競馬に限らず、日本の公営ギャンブルは、買い目の組み合わせ(フォーカス)にオッズが設定されています。オッズは馬券が売れるたびに更新され、その時々で異なる数字になります。レースが確定した後のオッズを「確定オッズ」といい、それ以後オッズが変動することはありません。また、確定オッズが馬券的中者に支払われる払戻金になります。

レースの馬券が発売される前は、すべてのオッズは99999.9など券種別の最大値が設定され、馬券が売れるたびにオッズはどんどん下がっていきます。

即パットなどのインターネット投票を利用されている方は、金曜日の18時30分から馬券を購入できますが、この時はほとんどの馬券が売れてないので、確定オッズと比較にならないオッズがつけられています。

時間経過とともに馬券が売れれば売れるほど、「人気」と呼ばれるオッズの偏りが形成されていきます。競馬のようなギャンブルの場合、馬券が均等に売れることはまずありません。必ず、人気馬と人気薄馬、その中間にばらけていき、人気サイドの馬はオッズが低く、人気薄馬のオッズは高くなります。

ここで重要なポイントは2つあります。

オッズは支持率

オッズは競馬予想をして、馬券を購入した人によって作られていきます。多くの人が支持が集まるほど、オッズは低配当になります。逆に言うと、オッズが低い馬ほど多くの人が購入している馬券となるわけです。

簡易的な支持率の計算法

単純計算ですが、オッズの逆数が支持率になります。2.0倍のオッズをつけている場合、約 50%の人が支持しているという意味合いになります。ただし、実際には、JRAの控除率があるので、実際の数字はもう少し低くなります。控除率を加味して0.75倍するともう少し実態に近い支持率になります。

オッズは時間の経過とともに変化する

発売開始からレースの確定まで、オッズは変動し続けます。締切時のオッズは「最終オッズ」と呼ばれ、オッズの最終値になりますが、締切ギリギリの投票や控除率などを最終計算したものが「確定オッズ」として提示されます。

オッズは馬券が売れるたびに変動しますが、馬券の売上が緩やかな時は、それほど変動しませんが、締切直前になると多い時で1分間に2~3回変動することもあります。

時間経過で、オッズが確定オッズに近づいていくと理解してください。

オッズの仕組みを踏まえた異常オッズ

オッズはレースの締切・確定に向かってどんどん人気通りに収束していきます。1番人気に支持されている馬は、常にどこかで馬券が売れているため、異常オッズが入っているように見えます。

また、夜間発売があって、G1レースのように多くの人が注目するレースの場合、朝一に大きなオッズ変動が観測されます。しかし、これは異常投票ではなく、夜間に発売された馬券のオッズが、朝一の観測時間にまとめて反映されるためです。

異常オッズとは「通常ではあり得ない過剰投票である」と最初に説明しましたが、通常のオッズとは、時間経過とともに馬券が売れ、人気が形成されていくプロセスのオッズを指します。人気が割れている場合は、中間オッズ(発売中の馬券)で順位が入れ替わることがありますが、馬券発売からそれなりの時間がたっている場合は、あまり順位変動もみられません。

しかし、時に順位が入れ替わるほどの大量投票が発生することがあります。これが「異常投票」であり、「異常オッズ」です。

異常オッズの発生する原因は?

異常オッズは、通常ではあり得ない過剰投票によって発生するものです。つまり、異常オッズや異常投票とは、オッズ観測時に不自然な馬券の売れ方をする単なる現象であり、複数の要因によって発生します。

オッズの観測時間に開きがある

先ほどちょこっと触れた現象です。オッズはある時間の観測時間を切り取ったものですが、実際には締め切りまで絶えず馬券が売れ、オッズは変動し続けています。

しかし、オッズを取得した時間(観測時間)に開きがあると、その間に売れた馬券のオッズの変動の影響を受け、大量投票が観測されます。ただし、この場合の大量票はすべての馬に対してまんべんなく影響を与えるため、オッズ分析をする場合には、その点を考慮しないと誤動作する可能性があります。

メディアの影響

競馬新聞、スポーツ新聞などの紙媒体や、競馬中継番組などの映像媒体などによる「第3者の予想」が原因で発生します。どの程度の影響を与えるかは、そのメディアのシェアなど影響度合いによって異なります。

スポーツ新聞などのケースでは、穴予想をする予想家が2週連続で万馬券的中などとあおっている場合、その予想家の注目馬で異常投票が発生する可能性があります。

G1レースのように多くの人が注目するレースの場合、TV局も普段とは異なるゲストを用意していることもあり、特に元ジョッキーなどが予想すると、異常投票が発生することがあります。古い例で申し訳ありませんが、細江純子が予想した馬が異常投票として数多くのレースで観測された例もあります。

TVメディアの場合、レースの発走時間に近い時間に放送されることもあり、特定の時間から異常投票に現れやすくなります。

新聞などの紙媒体は、発売が前日もしくは当日の朝なので、異常投票が発生する場合でも時間帯がばらけたり、パドック・返し馬付近の時間に固まります。

グリーンチャンネルのパドック推奨馬

グリーンチャンネルは、JRAが公式のレース映像としているメディアであり、パドック推奨馬は明確な異常投票として現れます。ただし、発生時間はパドック周回終了後になるので、締切15~25分前ぐらいに現れます。

グリーンチャンネルは公式映像であり、全レースの放送をしていることから、視聴者も多く、影響力が強いため異常投票の原因になります。

競馬ファンドによる大量投票

「ファンド」とは出資者からお金を集め、それを運用して利益を配分する仕組みです。株式や外国為替、先物取引などではよく見られる形態です。

ただし、ファンドとして成立させる場合、金融庁の免許が必要なため、多くの競馬ファンドは違法に資金を集め運用されたものとなります。

ファンドで運用される資金は、数十億にのぼることもあり、資金力の差から異常投票になりやすいのです。では、実際のケースを例に挙げます。

ひとつ目は2020年7月21日付けのニュースで、払戻金 95億円、利益18億円を申告しなかったとして、中国人男性が所得税法違反で名古屋国税局から指摘を受けていたケースです。

もうひとつ有名なケースは、2009年にUPro有限会社が約160億円を稼ぎ出し、国税局に申告漏れを指摘されたケースです。この事件は、競馬運用益は営業所得として申告したらしいのですが、国税局は一時所得として判断し、所得税の申告漏れとされたようです。

ただし、どちらのケースも外国人であり、刑事訴追などを受ける前に海外に逃亡しています。

馬主による大量投票

最後に紹介するのが馬主による大量投票です。馬主は資金力のある熱烈な競馬ファンなので、当然自分自身も馬券を購入します。そして、これが異常投票として検知されます。

馬主による大量投票には、大きくふたつのパターンがあります。

  1. 自分の所有馬への応援馬券
  2. インサイダー情報による確信馬券

馬主の心理として、自分の所有馬がレースに出走する場合には、自分の馬を中心に買いたいと考えます。1番人気に支持されるような馬であれば、馬券よりも表彰式のことが気がかりでしょうが、さほど人気がない場合は、「やはり自分の馬から夢を追い求めたい」ものです。

もうひとつが、関係者によってもたらされたインサイダー情報。この情報に基づく過剰投票を「インサイダー票」と呼び、多くの異常オッズ分析の対象としている過剰投票です。

シンドロームが対象としているのも「インサイダー票」です。

異常オッズを引き起こしているのは誰?
シンドローム
シンドローム

いかがですか?

異常オッズ・異常投票といっても、発生要因は複数あります。異常オッズは単なる異常投票を観測した結果にすぎません。その発生原因までフォーカスしないと、馬券の戦略としては利用できないことを理解してください。